**No.6**

あたしは知らない間に教室に戻ってきていた。

もう何も考えられない・・・

目からは涙が溢れて止まらなかった。

机にうずくまり、みんな授業に行って誰もいない教室で一人泣いた。

こんなに苦しいとは思わなかった。

いままであたしがこんな事をしてきて、一体何人のコがこんな気持ちになっ

たんだろう・・・

昨日までのあの楽しかった日々が、まるで何年も前の遠い昔のように思えた。

授業の終わりを告げる鐘が鳴った。

廊下からガヤガヤとみんなの声が聞こえた。

こんな姿を見られたくなかったから、あたしはトイレに駆け込んだ。

しばらくして教室に戻ったら、何事も無かったようにいつも通りだった。

ほっとしたのもつかの間、黒板に

++みんな~!次は千紗シカトだよ。++

と書いてあった。

ただただ苦しくて、憎くて、それ以上のなんでもなかった。

カバンからケータイを出して、メールを打った。

もちろん駿へだ。

++助けて。おねがい++

すぐ返事が来た。

++どうしたの?++

++由梨のせいでクラス全員からシカトされてる++

そう送り返して、椅子に座り込んだ。

廊下を走る音が聞こえた。

ガラッ

「千紗!!」

駿だ。

駿が来てくれた。

・・・急に目の前が真っ暗になって、その後は何も覚えて無い。




目が覚めると医務室のベッドの上で寝ていた。

そばには駿が座っていた。

「大丈夫?どうしたの?」と駿が言う。

「・・・朝一緒に学校に来たのが原因で由梨にシカトされてる・・・」

「なんでそんなことで・・・」と駿。

「・・・由梨はね・・駿が好きなんだよ。」

「まじ?」

「うん・・昨日バクッた・・・」

「そっか・・由梨が・・」

「・・・ツライ。助けて・・・」また涙が出てきた。

「分かった。俺が何とかやってみるよ・・」 **続く**











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